- 慣性モーメントの定義
質点系を構成する質点Piの質量をmi、Piと定直線lとの距離をriとするとき、直線lについてのこの質点系の「慣性モーメント」Iは、
質量が連続的に分布しているときは、この物体の密度ρを用いて、
すなわち
と定義される。
- 固定軸まわりの回転運動の基本方程式
運動方程式
すなわち、
「外力の合力がゼロでないとき、これに比例した加速度が発生する」
に対して、
すなわち、
「外力のモーメントの和がゼロでないとき、これに比例した角加速度が発生する」
と読み替えることによって、「固定軸まわりの回転運動の基本方程式」を得ることができる。
- 半径R、高さL、質量mの円柱の、底面の円の中心を通る軸まわりの慣性モーメント
- 図のように座標軸をとり、z軸方向の微小厚さ
zの円柱板を切り出す。
- x-y平面は極座標をとる。r=r0にある微小幅
rの「ドーナツ」状の立体を考え、
- さらに微小角度
θ部分を切り出す。
- この微小部分は、縦、横、高さがそれぞれ、
r、r0
θ、
zの直方体に近似できる。
- 密度をρとすれば、その質量はρr0
r
θ
z、軸までの距離がr0であるから、
- この微小な直方体が軸に対してもつ慣性モーメントの寄与分は、ρr03
r
θ
z
- まず、θについて積分。
- 次に、定数r0を変数rと読み替えて、rについて積分。
- 最後に、zについて積分。
- ここで、m=ρπR2Lであるから、
- 一辺の長さa、質量Mの立方体の、向かい合う二面の対角線の交点を通る軸まわりの慣性モーメント
- 図のように座標軸をとり、z軸方向の微小厚さ
zの四角柱板を切り出す。
- r=y0にある微小幅
yの長方形を考え、
- さらにxの位置にある微小部分
xを切り出す。
- この微小部分は、縦、横、高さがそれぞれ、
x、
y、
zの直方体である。
- 密度をρとすれば、その質量はρ
x
y
z、軸までの距離が
であるから、
- この微小な直方体が軸に対してもつ慣性モーメントの寄与分は、ρ(x2+y02)
x
y
z
- まず、xについて積分。
- 次に、定数y0を変数yと読み替えて、yについて積分。
- 図形の対称性からこれを4倍したのち、最後に、zについて積分。
- ここで、M=ρa3であるから、